コンフィダント・絆

三谷幸喜の新作。雨の降る中 Y と待ち合わせて渋谷のパルコ劇場に観に行ってきた。
なにを書いてもネタバレになりそうなのでうっかりしたことは書けないが、4 人の芸術家が 1 人の女性モデルをめぐって攻防を繰り広げる、という話ではない。そういう側面もあるけど、それは本筋じゃない。それはそうと、ああいう女性をサークルクラッシャーって言うんだろうか。ちょっと違うか。

前半は 5 人の役者が体を張ってのギャグを挟みつつ快調に進む。爆笑に次ぐ爆笑の余韻が残る休憩を挟んで、ちょっとしたサプライズとともに後半が始まると(まさに目の前 10m ほど前でのことでちょっと興奮。下手のほうの席だったのがかえってよかった)、一気に緊迫した展開に。そして明かされる"コンフィダント"の意味…。いやもう脚本も役者も音楽も素晴らしいの一言。

三谷幸喜といえばコメディで有名だけれど、前に戸田恵子が演った「なにわバタフライ」とか、東京ボードヴィルショウに書いた「エキストラ」とかと同様、今回の作品に関しても劣等感とか嫉妬心とか功名心とか、そういう人間の負の感情が丁寧に表現されていた。だからこそコメディの部分も一層引き立つんだろう。