川越〜越生〜顔振峠〜飯能

インターネットにつながらない、という Y の声で起こされた。確認してみると確かに回線が止まっている。ADSL を使っているので電話の方はどうかと思って調べてみたら受話器を上げても発信音が出ない。どうも電話の故障らしい。
もう少し寝ていたかったのだがこの騒ぎで寝るに寝られず、朦朧としたまま予定通り秩父方面に出かけることにしたのが間違いだった。花小金井から輪行して所沢で乗り換え、西武秩父行きの電車に乗ろうとしたところでサドルバッグを前の電車の網棚に置いたままだったことに気づいた。あわてて駅の事務室に駆け込んでサドルバッグを確保してもらうことにした。幸いにも本川越で見つかったが、当然取りに行かないといけない。ルート変更を余儀なくされてしまった。
本川越で荷物を引き取り、自転車を組み立てようとしたら今度はボトルを家に置いてきたことに気づいた。まあペットボトルでも買って済ますしかない。夏の暑いときと違ってそんなに水分のことを気にしなくても大丈夫なのだけは救いだ。
そんなこんなでぐだぐだのまま出発。以前団子を買った店を探り当て、団子を買って走り出す。越生への道は昔一度走ったときにはもろにアゲインストの風が吹いて厳しかったが今日は追い風でとても走りやすい。梅があちこちで咲いていて天気もうららか。とても自転車日和という感じ。
鳩山町を経由して越生へ。コンビニでおにぎりを買いシロクマパンへ。自転車乗りなら知らない人はいないパン屋であり今日も店の前にジャージを着た人が 7,8 人たむろしていた。梅林の奥のほうで昼飯にする。シロクマパンで買ったアップルパイはリンゴの歯ごたえがしゃきしゃきとしてうまかった。
県道を越辺川沿いに登っていき、林道猿岩線を目指す。のだが、行き過ぎて黒山温泉まで来てしまったので 500m ほど引き返して登り始める。いきなりの 10% 近い急な登りに息が切れる。最初に高度を稼いで多少緩やかになったものの、けっこう急な坂が続く。半袖ジャージで全く問題ない。
体重減少の効果のほどは…果たしてどうなんだろうか。冬から比べると 6kg は減っているはずなので楽に登れてもおかしくはないが、やっぱり斜度のあるところでは Y に後れを取ってしまう。まあ本格的な登りは今年初めてだから仕方ないか。
途中水場があり、ポリタンクを積んだ軽トラが止まっていた。ボトルに水を入れさせてもらって飲んだがなかなかうまい。
更に登りは続く。頭の上に道が見えていささか気が重くなるが、じわじわと登っているうちに稜線に出て勾配が緩くなった。道の東側の視界が開け、霞んではいたものの埼玉の平野部が一望できた。
ほどなくしてグリーンラインに到着。着替えようとしたら山歩きのおじさまたちに話しかけられる。川越から走ってきたといったらびっくりされたが、走る人はもっと走るからねぇ。
先行していたおじさまたちを追い抜いて顔振峠の茶屋まで降りる。梅や河津桜が咲いていて大変きれい。山里にも春、という図だ。茶屋でお汁粉を食べてお茶を飲んでいたら茶屋のおばさんに河津桜を一枝いただいた。5 分咲きくらいになっているが、自転車だとなかなか持って帰りにくい。Y のキャリアにくくりつけるにしても何か包むものがないと大変だ。Y と二人苦心していたら茶屋のおばさんが見かねてカレンダーの古いやつをくれたのだが、これがなんと両陛下の御真影入りという代物。ここからは両陛下(に包まれた河津桜)を家まで無事に持ち帰るミッションに変わった。
途中御真影がひらりとはがれて落ちるアクシデントがあったものの、なんとか無事に R299 まで降りてきた。降り口にある酒屋で愛用の秩父味噌を買ったら、近くでカタクリの花が咲いていると書いてあったので行って見ることにした。川沿いをちょっとさかのぼったところにカタクリの郷という施設があり、ちょっとした斜面に紫色のカタクリの花が群生していた。これだけたくさん咲いているのは初めて見たがきれいなものだ。
後は R299 沿いを飯能まで降りる。途中新しくできたモールの中のダイソーに寄ったりしている間に日が暮れてきた。飯能から輪行して帰宅。途中ところどころで桜の花が咲いていた。
持ち帰った河津桜はちょっとしおれていたが水切りしてやったら割とすぐに生気を取り戻してくれた。