早稲田へ

用事は済んだのでそのまま出社するべきなんだろうが、ちょっと寄り道して早稲田大学に行ってきた。荒ぶる魂 ――大西鐵之祐と早稲田ラグビー――という展示会がその目的。
大西鐵之祐といえば早稲田と日本代表の名監督として知られるが、わたしには 80 年代前半の本城・吉野の時代がちらっと記憶の中にあるくらいだ。99 年に著書「闘争の倫理」が復刊されたのを買って読み(うへぇ、Amazon で 5,000 円以上してる)、2001 年に藤島大氏による評伝「知と熱」が出てその足跡を知ったのだが、ラグビーだけでなく日本のスポーツ指導者としてこの人を超える人はいないと思う。
展示物はもう感動の連続。ケンブリッジ大学が戦後来日してきたとき向こうの副主将から借りた当時最新のラグビー書 "Danie Craven on Rugby" のタイプ複写。「接近・展開・連続」はここから生まれたんだな、と感慨にふける。
オールブラックスジュニアを破ったときのメモ帳。スコアの一番最後、大きな「ノーサイド」の文字に歴史的勝利の重さを感じて思わず目頭が熱くなってくる。
練習計画や理論的考察など、ほんとに緻密にラグビーを分析していたことが窺える資料に圧倒される。今はビデオとパソコンを駆使した分析を取り入れているところが多いようだけど、当時の大西さんはそれ以上のことを自分の力でやっていたんだからすごい話。ボールをもらってからパスして離すまでの時間を計測したりしているし、選手の走る速度と体重から運動エネルギー(!)を計算し、外国の選手にどう立ち向かうか、などという研究もしていたようだ。
午後 2 時からやっているという「大西鐵之祐 最終講義」のビデオ上映が見られなかったのが残念だが、時間の都合上仕方がない。
見終わって出てきたらちょうど昼休みと重なった。どこか近くでご飯を食べて会社に戻ろうと思ったがどこも学生でいっぱいなので、そのまま地下鉄に乗り会社近くで昼飯を食べて出社。