PCM2706 の I2S 出力 = 256Fs

久しぶりに elec カテゴリの記事。
冬は機材を置いている寝室に暖房がなく、寒いのでなかなか手が動かせないのがつらいところ。
PCM2706 から I2S 信号が取り出せることはよく知られていて、有名なものとしては USB 経由で TDA1541A を NOS で使う electrart 氏の作例があるし、どこかで PCM2706-TDA1543 直結の DAC の記事を読んだ記憶がある。
ところが最近の(でもないが)デジフィル内蔵の DAC IC は I2S/シリアルの信号のほかにシステムクロックとして 128〜512Fs 程度の信号を要求する。PCM2706 でも Pin18 (SYSCK)からシステムクロックは取り出せるのだが、どういうわけだかデータシートをよく読んでもどれくらいの周波数が取り出せるのか書いていない。ちょっとググってみた範囲でもよくわからなかった。
そこで手元の WUAIF01 で試してみた。この基板だと SYSCK の信号が直接引き出せるようになっているので都合がよい。安直に秋月のテスタ P-16 の周波数測定機能を使って測定してみると…なんか変な周波数しか表示されない。よく見たら基板上のジャンパを I2S 出力にするのを忘れていた。
ジャンパを切り替えて Windows 上で適当な MP3 を再生してみたところ、SYSCK の周波数は 11.29MHz と出たので、256Fs のようだ。動画を再生してみると12.88MHz程度を示す。内部的にはサンプリングレートを 44.1/48 KHz で切り替えているようだ。
ということは、いまどきの大抵の DAC は PCM2706 と直結できるってことだ。PCM1794 や AD1955、WM8740、CS4398 といった各社のハイエンド DAC が USB で直接ドライブできることになる。実は DF1704/DF1706 も I2S/256Fs の信号を受けられるので、USB 経由で PCM1704 をドライブする DAC だって可能だ。
ジッタの面ではS/PDIF を DIR で受けて DAC に接続するよりは有利かもしれない。256Fs の信号の精度がどれくらいかはよく分からないので効果のほどは不明だけれど、ハイエンドなサウンドカードで S/PDIF に出力するお高い HTPC より C/P は高かったりしないだろうか(希望的観測)。
この方式だと 一応 44.1/48 KHz 限定ということになっているが、お好みで I2S 出力に SRC4192/SRC4190 をかませばアップサンプリングもできる。