刺激を受けた本

id:hyuki さんが刺激を受けた本を書いておられた。いまやエンジニアという職種から微妙に離れているわたしではあるが、結城さんと同じものを読んでいたかと思うとちょっとうれしい。

* 『数学ゲーム 1 ブルーバックス 248』マーチン・ガードナー著、高木茂男訳
* 『数学ゲーム 2 ブルーバックス 249』マーチン・ガードナー著、高木茂男訳
* 『知的生活』P.G.ハマトン著、渡部昇一他訳
* 『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』ダグラス・R・ホフスタッター
* 『クヌース先生のドキュメント纂法』

わたしもブルーバックス、とりわけ「数学ゲーム」は小学校のときに読んで感銘を受けました。
その中にマッチ箱(!)を使って Tic-Tac-Toe ゲームをインプリメントする話があります。読者はコンピュータを使えばより高速に最善手を発見できるだろう、みたいなことが書いてあったんですが、読んだその当時、個人のレベルでそんなことができるとは考えもしなかった。というか、そんな時代が来るのか、ということにすら全く想像が及びませんでした(そもそも PC-8001 がデビューするかどうかという時代)。いまやそんなことは手のひらに収まる携帯電話ですらお茶の子なわけで、時代の進歩を感じます。
GEB は確か高校を卒業する直前に読みました。お互い無関係のはずの三者は実は自己言及(=不思議の輪)の構造という点で共通している、という話は私のザル頭には相当難しかったのですが、たいへんエキサイティングでした。バッハに目覚めたのは実にこの本のおかげです。進んだ大学に訳者の野崎先生がいらして、大変お世話になったのは私にとって幸せなことでした。
「数学ゲーム」「ゲーデルエッシャー、バッハ」ときて、後 3 冊。
1 冊は会社に入ってすぐに読まされた "TCP/IP Illustrated" ですね。IP、ICMP、TCP などといったプロトコルがどのような構造になっているのかを叩き込まれたことはのちのち大変役に立ちました。
あと 2 冊は日米の物理学者のエッセイで「ご冗談でしょう、ファインマンさん」と「寺田寅彦随筆集(1)-(5)」ですかね。ファインマンは高校生、寺田寅彦は大学に入ってすぐのあたりで読んだんでしたか。科学的思考というものがどういうものなのか、その成り立ちを知る上で大変参考になりました。